治療院ブログ

46歳(高齢不妊)9か月採卵を続けて貯卵後、胚盤胞2個移植で妊娠・出産

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大阪府守口市からお越しのSさん(46歳)が妊娠・出産されました。

46歳で不妊治療を続けているSさん

Sさんが当院にお越しになったのは2022年7月。すでに不妊治療専門クリニックで体外受精の段階に進んでいましたが、これまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。

初診時のSさんの主な状況

  • 年齢: 46歳
  • これまでの治療:体外受精で一度妊娠するも、心拍確認ができず流産を経験。流産後、凍結胚盤胞を2個保存している状態。
  • ご希望: 残っている凍結卵の移植に向けて体質改善を希望。

Sさんは、残っている凍結卵のグレードが低いことに悩んでおり、このまま移植に進むか、それとも採卵して質の良い卵を採りに行くべきかを迷われていました。また、夏の暑い時期で体調を崩しがちだったため、体調を整えてからの移植を考えていました。

胚盤胞2個移植で妊娠

当院では、Sさんの年齢を考慮し、できるだけ若いうちに質の良い卵子を確保するためにも、「貯卵」を目的とした採卵を提案させていただきました。

さらに、Sさんは当時のクリニックからの転院も検討されており、当院からも最適なクリニックについてご提案し、転院されることになりました。

転院先での新たな発見

転院先のクリニックでは、改めて詳細な血液検査が行われ、甲状腺とDHEAの値に問題があることが判明しました。これにより、今まで分からなかった不妊の原因が特定され、適切な薬とサプリメントが追加されました。

残りの凍結卵移植と再度の採卵

検査後、まずは以前のクリニックから凍結卵(胚盤胞2個)を移送し、移植されましたが、残念ながら結果は陰性でした。

しかし、Sさんは諦めませんでした。新しいクリニックで初めての採卵周期に臨み、その結果はなんと…

  • 採卵数: 18個
  • 受精卵: 16個
  • 凍結胚盤胞: 6個(今までで一番グレードの良い凍結卵

この素晴らしい結果は、適切なクリニックでの治療と、鍼灸による体質改善の相乗効果がもたらしたものでしょう。

慢性子宮内膜炎と着床の窓検査

採卵と同時にALICE検査を行い、慢性子宮内膜炎があることが分かり、その治療も開始されました。

その後、着床の窓検査(ER-P)を実施し、着床の窓のズレがないことも確認できました。甲状腺の数値も改善し、慢性子宮内膜炎の治療も進んだことで、「やっと移植ができる」とSさんも一安心されていました。7月の採卵から移植に進むまで、実に9ヶ月が経過していました。

繰り返される陰性と原因不明の壁

2024年3月、凍結融解胚盤胞移植(SEET法)が行われましたが、残念ながら結果は陰性でした。着床の窓のズレもなく、良好胚を移植したにもかかわらずの陰性という結果に、クリニックの先生も「原因は不明です」とのことでした。

クリニックからは、免疫寛容に問題がある可能性を考慮し、プレドニン(免疫抑制剤)の服用期間を延ばすよう提案されました。

そして、続く2回目の2段階移植も残念ながら陰性でした。休むことなく、Sさんは3回目の移植を計画されていました。クリニックの先生も、Sさんの妊娠のために薬や方法を細かく微調整されていました。当院も、妊娠につながる鍼灸を受けるタイミングや、免疫寛容に働きかけるような鍼灸でのアプローチを提案させていただきました。

妊娠、そして出産へ

諦めずに挑戦を続けたSさんは、3回目の胚盤胞2個同時移植で、陽性反応が確認できました。

妊娠後、心拍確認後に絨毛膜下血腫が判明し、出血のため自宅安静を余儀なくされました。しばらくしてマタニティ鍼灸にお越しになった時は妊娠18週で、ヘパリンとバイアスピリンを続けながら自宅安静されていました。絨毛膜下血腫は徐々に消失し、当院では出産予定日の12月初旬まで、肩や腰の痛み、便秘などのケアを行いました。

そして先日、Sさんから無事にご出産されたという嬉しいご報告をいただきました。

Sさん、この度は本当におめでとうございます。そして、ご出産おめでとうございます。新しい家族が増え、ますます幸せな日々をお過ごしのことと思います。赤ちゃんの健やかな成長を心よりお祈り申し上げます。

40代での妊活を乗り越えるために

Sさんのケースは、40代後半での妊活において、諦めずに可能性を追求することの重要性を示しています。

1. 「年齢」だけで諦めないことと「貯卵」の重要性

Sさんは46歳での出産。一般的に「高齢出産」とされ、妊娠が難しいとされる年齢でのご出産です。年齢は確かに一つの要因ですが、それだけで諦める必要はありません。個々の身体の状態と向き合い、適切な治療とサポートを受けることで、可能性は広がります。

特に、Sさんのケースのように、凍結胚のグレードに不安がある場合でも、「できるだけ若いうちに質の良い卵子を採るための採卵(貯卵)」という選択は、後の妊娠への可能性を広げる上で非常に重要です。

2. 「見えない原因」を徹底的に探す多角的な視点

「良好胚を移植しても着床しない」場合、子宮側の問題(慢性子宮内膜炎、着床の窓のズレなど)や、内分泌系の問題(甲状腺、DHEA不足など)、免疫系の問題(免疫寛容)など、様々な「見えない原因」が潜んでいることがあります。Sさんのケースのように、クリニックの転院も視野に入れ、多角的な検査で原因を特定することが、次のステップに進むために非常に重要です。

3. 現代医療と鍼灸の相乗効果

Sさんは、クリニックでの薬物療法(甲状腺ホルモン剤、DHEAサプリメント、慢性子宮内膜炎治療、プレドニン、ヘパリン、バイアスピリン)と、当院での鍼灸治療を併用されました。鍼灸は、卵子の質を高めるための卵巣へのアプローチ着床しやすい子宮内膜を育むための子宮へのアプローチ、そして免疫寛容に働きかけるようなアプローチで、現代医療の効果を最大限に引き出すサポートをします。

4. 精神的サポートと「待つ」ことの大切さ

長期間にわたる不妊治療は、心身に大きな負担をかけます。Sさんも「やっと移植ができる」と安堵するまで9ヶ月もの期間を要しました。この間、心と体のバランスを保つことが非常に重要です。鍼灸は、身体の不調を和らげ、リラックスを促すことで、この「待つ」期間を乗り越える助けとなります。

Sさんの出産は、40代の妊活における大きな希望です。

もしあなたが、年齢や「なかなか着床しない」という壁に直面し、不安を感じているなら、決して一人で抱え込まないでください。当院では、Sさんのように困難な状況を乗り越えてきた患者さんを多く見てきました。適切な検査と治療、そして鍼灸による身体づくりを継続することで、妊娠・出産の可能性は大きく広がります。

Sさん妊娠お喜びの声

▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください

体外受精を行い胚盤胞ができたものの、着床に至らないことが続き、以前に別の所で鍼灸治療を受けていた時に着床したことがあったので、再度鍼灸治療を受けてみようと思いました。

▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください

体外受精(胚盤胞2個移植)

▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください

レーザー・サプリメント

▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください

慢性的な肩の痛みがあったのですが、毎回治療の際に肩の動きが改善するように施術をしてくださり、数ヶ月後には痛みを感じなくなりました。こちらの鍼灸院は不妊鍼灸を専門としていてレーザー治療も受けることができるのがよかったです。

▢ 同じように悩まれている方へアドバイスに自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)やメッセージがあればお願いいたします。

乳酸菌&酵素の青汁を飲む、免疫力を高めるためにローヤルゼリーのサプリメントを摂取していました。

46歳患者様のご懐妊お喜びの声 ※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。

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